あと施工アンカーとは、コンクリート構造物にドリルなどの穿孔機械を使って孔を穿け
アンカーボルトを打ち込むタイプの総称で、特定のアンカーの名称ではありません。
対比されるものに、コンクリート打設時にアンカーボルトを設置する先付アンカーが
あります。ちなみにあと施工アンカーは、金属系アンカーが90%を占めています。
■ (社)日本建築あと施工アンカー協会 (JCAA) の分類によると、あと施工アンカー (大分類) は中分類
として金属系アンカーと接着系アンカーに分けられています。統計によると両者で約2億6千万本が生産
され、金属系アンカーがその90% (接着系アンカー約10%) を占めています。
金額的には、金属系が60%(接着系40%)となっています。(JCAA平成21年の資料から)
* 分類のことを詳しく知りたい方はこちらからJCAA ≫ www.anchor-jcaa.or.jp
■ その使用状況をみてみると、金属系アンカーの80% (約2億本) は自前 (自社) 施工で日曜大工的に
使われていて、非常に汎用性が高いと言えます。方や接着系アンカーは、耐震補強工事や橋脚拡幅工
事などに使用されるように専門性が高く、有資格者での施工を要求されることが多い。
■ ケミカルアンカー (接着系) と言えば、建設業に携わる者であれば誰でもイメージできると思いますが
あと施工アンカーと聞かれて、接着系アンカーをイメージできる人は皆無に近いと思います。
殆どの人が金属系アンカーをイメージすると思われるのは、あと施工アンカーの90%が金属系アンカー
である事に、無縁ではないと考えられます。
■ 金属系アンカーと一口で言っても8種類もあり、専門業者ですら分類用語で注文されると困惑するの
が現実ではないでしょうか。金属系アンカーを注文される場合は、メーカー名や商品名或いは日頃から
なれ親しんだ天井インサートとか異形差筋アンカーとかの工事名を使った方が、相手側に明確に伝わる
と思います。
■ 当サイトでは無用な混乱を避けるため、あと施工アンカーの呼称を極力使わないことにしています。
設計図書で、あと施工アンカーとだけ表示されているものが時々散見されて、専門
業者でも困ることがあります。図面を精査すればどのアンカーを意図しているのか
解りますが、統一表示が出来ないのであれば、せめて中分類でのあと施工アンカー
(接着系) とかあと施工アンカー (金属系) とかで表示されることを願って止みません。