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  3. 価格不統一の原因

価格不統一の原因は何か

接着系アンカーが誕生して半世紀になろうとしています。長い間、公共性の高い工事に使われている割には、価格に統一性がないと指摘され今日に至っています。その原因は何なんでしょうか。簡単に分析してみようと思います。

単価は、各施工会社において材工(諸経費込)で表示され一見簡単そうに見えますが、どうでしょうか。材料と工事費の比率はどうなんでしょうか。しかも材料は接着材とボルト材に分かれ流通が絡みます。工事費は50%は占めると思いますが、今迄、施工会社サイドから工事費や労務費の公表をしたことはありません。

こう考えて見るだけでも、何やら不透明な感じがしてきますので、材工をもう少し掘り下げて分析してみようと思います。

接着材

大中10社程のメーカーがあり、各社それぞれに参考価格や積算資料としての価格を公表していますが、価格差が大きく共通化されたものはありません。しかも流通業界が複雑に絡み合い、力関係もあって平均の仕切価格を知ることさえ不可能ということになります。

メーカーには上場企業もあり、大手と言われる企業3社の生産比率は60%にも及んでいます。初期の当業界への貢献、役所への交渉では大きな力を発揮して今日に至っており、彼らの大きな推進力なくして業界の発展はあり得なかったといっても過言ではありません。しかしこのことが、価格の不統一にどんな関係があったのかは、定かではありません。

異形筋

異形筋の加工会社(工場)は全国に散在しており、その数も分かっておりません。異形筋は重量がかさみ、運送費がバカになりません。メーカー → 問屋 → 加工場 → 現場 と運ばれますと、接着材との価格比では、同等かそれ以上ということになります。

鋼材(異形筋)の商取引は独特で、誰でも買えるというものではありません。与信管理が厳しくて担保力が弱いと自社購入がままならず、材料(鋼材)支給で加工のみということも現実に起こります。家内的工場で散見されますが、結構多いように思います。

悲しいかな施工業界では、ボルトの加工技術に詳しくなく、価格を査定する能力などありません。そこへ流通業界が関与するのですから、誰がどの価格が正当な価格だと判断できるのでしょうか。

工事費

あと施工アンカー工事業界という専門業界があり、協会や組合もありますが、議論したり討議したりするのは資格や技術のことばかりで、最も重要な施工者の労務費や地位保全のことは、避けているように思えてなりません。

施工業界といっても数人規模が圧倒的で、それぞれが一人親方であることが多いように思います。中には数十人規模の会社もありますが数社にしかすぎず、入札資格を持っている会社はありません。

元請やゼネコンの一次がいいところで、その殆どは二次以下の専業下請で甘んじているように思います。絶えず値下げ交渉を余儀なくされていますので、一日も早く業界として、労務費の問題を真剣に議論する場を設けてほしいと願っています。関係各位の奮起を促したいところです。

しかし労務費に限っては、業界で真剣に審議されれば、材料の問題より早くに纏められるように思います。

結論として

価格不統一の原因は何かなどと意気込んでは見たものの、これだけの要因を前にしては風評を覆すに至らず、「不統一は当然」と追認せざるを得なくなりました。せめてもの「大全集」が有用視されることを願ってやみません。


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